レッスン日記

「もう、これで練習しなくていいんだね」——保護者の一言に、指導者として刺さった話

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先日、クローバーのレッスン終わりに、あるご家庭の会話をたまたま耳にしました。
(もちろん内容は個人が特定されない形にして書きますね。)

その日、体育館で最後の片付けをしていた僕のすぐ近くで、親子がこんな会話をしていました。


「今日、できた…!」

その子は、しばらく“ある動き”でつまずいていました。

ダブルダッチでいうと、
**「入るタイミング」とか、「怖さを超える一歩目」**とか。
技の名前で言えば分かりやすいけど、本質はそこじゃないやつです。

ここ数週間、うまくいかない日が続いていて、
途中で座り込んだり、ロープの前で固まったりする日もありました。

でもその日は、違いました。

「今、入れた」
「今の、怖くなかった」
そんな“本人だけが分かる成功”が、確かにありました。

そしてレッスンが終わって、お母さんのところへ走っていって、
目をキラキラさせて言ったんです。

「ねえ、今日できたよ!!」

お母さんも当然うれしくて、

「すごいじゃん!やったね!頑張ったね!」

って、二人で笑っていました。

——ここまでは、よくある“素敵な成功の場面”です。


次の一言が、僕を撃ち抜いた

でも、その次に、その子が、笑いながらこう言ったんです。

「じゃあ、もうこれで“あの練習”しなくていいんだね!!」

一瞬、空気が止まりました。

お母さんも「え?」って顔をして、
でもすぐに笑って、

「そっかぁ、あれ嫌だったもんね(笑)」
「でも、頑張ったから今があるよ」

って返してました。

僕は、その会話を聞きながら、胸の奥をグッと掴まれた感じがしました。


子どもにとって「技」は目的じゃないことがある

これ、めちゃくちゃ大事な話だと思っています。

僕ら指導者って、つい

  • 入れたら嬉しいに違いない
  • できたら自信になるに違いない
  • 次はもっと上を目指そう

って、“上達”を中心に物事を組み立てがちです。

もちろん、上達は素晴らしい。
でも子どもにとっては、意外とこういう感覚もあるんですよね。

「この練習、いつまで続くんだろう」
「失敗して恥ずかしいのがしんどい」
「怖い、痛い、疲れる、比べられるのが嫌」

つまり、
**“できるかどうか”よりも、“その時間がどう感じるか”**の方が大きいことがある。

あの子が言った「もう練習しなくていいんだね」は、
たぶん本音です。

そしてその本音は、悪いものじゃない。

むしろ僕は、そこに子どもの健全さを感じました。


クローバーが大事にしたいのは「技の前に、楽しさ」

クローバーって、強い子もいます。
全国で戦う子もいます。
記録も、結果も、もちろん本気で追います。

でも、それ以上に大事にしたいのは、

「運動って楽しい」
「挑戦っておもしろい」
「できない時間にも意味がある」

ここです。

技を教えること自体が目的になると、
子どもは“作業”になります。

でも、運動が好きになった子は、放っておいても伸びます。
自分で工夫します。
自分から「もう一回やる」って言い出します。

だから僕らは、順番を間違えないようにしたい。


じゃあ、保護者はどう関わるといいか

あの会話の中で、お母さんがすごく良かったのが、ここです。

「すごいじゃん!」だけじゃなくて、
笑いながら、受け止めてた。

子どもが本音を言っても、否定しない。
「え、そんなこと言うの?」って責めない。

これが、子どもにとって一番の安心です。

家での声かけ、もし迷ったらこの3つがおすすめです。

  • 「今日、どこが一番怖かった?」
  • 「さっきの成功、何が違ったと思う?」
  • 「できた/できないより、今日の気持ちは何点?」

結果を追いすぎると、子どもは苦しくなる。
でも、プロセスを見てもらえると、子どもは強くなる。


最後に

あの子の「もう練習しなくていいんだね」は、
指導者の心に刺さる一言でした。

でも同時に、こうも思いました。

“嫌だった練習を超えた”ってことは、
その子はちゃんと「自分の壁」と向き合ったってことだ。

できた瞬間より、
そこまでの時間こそが財産です。

クローバーは、技だけじゃなくて、
**子どもが“自分の壁を越える経験”**を積み重ねられる場所でありたいと思っています。

もし今、お子さんが何かでつまずいていたら、
それは「遅れている」じゃなくて、
伸びる前の入り口かもしれません。

一緒に、焦らずいきましょう。

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